実録、サイディング遮熱塗装(塗りつぶし)2 シーリング編

2020年8月22日

下の写真はベランダパラペット部分です。普通は外壁と見ますが、我々は屋根と見ます。 
理由は上に屋根が無いので当然庇も無く
雨水や日光が直接当たるので、条件が外壁より屋根に近いからです。
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勿論、痛みもここが一番早く出ます。
ですので、当然、その辺も十分考慮した特殊な施工をします。
間違っても外壁材を普通に塗る様な事は絶対にしません。
詳細は技術、企業秘密なので、ここで見せられません。
とゆうか本当に見せたい所は、ほとんど見せられないのが残念です。
 
 
 
 
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既存シールングを撤去してみるとジョイナーの継ぎ目が空洞でした
此方の家だけでなく多くの家で見られる事です。
もっと酷いのは下のジョイナーが上に被さって水を呼び込む様に
施工されている場合もあり、これが前に書いたジョイナーがあてにならない所以です。
 
 
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写真の中央の亀裂はシーリング材の肉厚不足からきています。
建物の構造を見ても一番動くいて力が加わる場所であるにもかかわらず
シーリングが薄いので当然、疲労線断を起こします。(これもどこの家でも見られます)
 
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撤去してみるとジョイナーが入っていませんでした。 心配なので施主さんに
「雨漏れはしてないですか?」と 聞いたところ「大丈夫です。」とお返事が
返ってきたので、ほっと胸をなでおろしました。よかった~。
 
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業界用語では、シールはとうとう(10×10)で打つと言って幅10㎜、肉厚10㎜が基本です。
勿論、2面接着が大事であったとしても縁起りのボンドブレーカーはすでにあるのだからバック材を
入れる必要はまったくない。というより入れたらシールの肉厚が確保できないことになる。
なのになぜ、バック材を使うのか?悲しいですが答えは一つしかないですね。(T_T)
 
住宅のシーリング工事でバック材を使う業者には気をつけた方がよいでしょう。
パワーボードと違い肉厚がないので、必要がないのですから
 
 
(オマケばなし)
よく、施主さんは監督(営業)さんはいったい何をしていたのかといいますが・・・
監督さんの仕事は、大きなザックリした指示や入る職人の手配をするのが仕事です。
技術的な専門的なことまでは無理です。
しょうがない事です、だって自分でやった事がないのですから
工事ものは出来てる物を買うのと違います。
 
これから作るもの・・・
どこに頼むかでは無く、誰に頼むかです。
会社の大きさや、肩書は作業する実際の現場では全く関係無く、
無名でもいいので見えない所、分からない所をキチンとしてくれる
私が施主ならそんな人に頼みたい・・・
 
 
 
下の写真はシーリングをカッターで撤去しても後にどうしても残るシールの部分です。
目地の下部の白い部分です。
これもサイディングの表面防水が切れている時、いわゆる初めての塗装のときは
完全撤去しないと数年後必ず切れますので注意が必要です。(塗装が生きていれば別)
 
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根気と手間がかかる作業ですが、カッターで徹底して削ぎ切ります。
 
 
 
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無黄変プライマーを同じ所を2回塗布、これで塗り残しの事故防止とより強固なクサビが打てます。
 
 
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そして初めてマスキングテープを貼れます。(テープを貼ってからプライマーもあります。)
 
 
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この写真はベランダの排水口外部のジョウゴです。 
多くの家でこのジョウゴの裏側の見えない所で手を抜かれています。
これは、監督さんも誰も知らない事で我々、実際に作業する職人だけが知っている事です。
もっとも、しらない職人も沢山いますが(笑)
 
 
 
 
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やはり、プライマーが打って無く排水パイプにシーリング材が接着していませんでした。
 
 
 
 
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ラジペンで引っ張るとなんの抵抗も無くとれる感じです。
 
 
 
 
 
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サイディングにも打ってないので引っ張るだけできれいに?とれてしまいました。
 
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プライマーを塗布します。勿論排水パイプとサイディングの両方に有効なのをテープテストしてあります。
 
 
 
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乾燥養生のちオートンイクシードを内部にしっかり注入して仕上げます。
つかれたのできょうは此のくらいにします。
 
悪いところばかり上げた気がしますがそれは違います。
 
此方の家はいい方で、他の家は蓋を開けてみると、もっともっと酷い。
 
又、だだ壁に色を置いてくるだけの業者ならこんな不愉快な事は追及しません。
というより気にも留めない事でしょう
でも、目を背けずしっかり見ておく必要のある事です。
どれだけ気づけるか、どこまで最善の対処をすることができるか?
 
これらを執念を持ち徹底的に追及し続けることが技術者の仕事です。
 

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