建設会社の監督をしている友人からの問い合わせを兼ねて
在来軸組工法2階建てモルタル壁の
塗装改修工事の見積もり依頼を受け、話をしているとクラック(ヒビ割れ)対処の話が出ました。
その時、彼が言うにはⅤカット工法をもちいたらどうかとの事。
電話で話していてもらちが明かないので
参考にして貰えればと思い取り急ぎ簡単に書きます。
同時に、モルタルのクラック(ヒビ)でお悩みの方の参考になればとも思います。 (少し専門的で建設屋さん向けの話になってしまいますが・・・)
Ⅴカット工法の歴史は、私がこの世界に入った時(約30年前)
には、すでに小野田セメントのリフリート工業会でさまざまな工法が、生み出されていました。
ですので・・・用いられる様になって50年近くは経っている工法かと思われます。
ところがⅤカット工事をしたのに数年したら前以上に、雨漏れがする現象が多々あります。
原因の大半は、業者の知識と経験不足。
本来この工法は木造住宅向けでは無く、主にRC(コンクリート)構造物用に開発施工されてきたものです
ところが経験や知識が少ない業者がこんなのがあるが、やったらいいのではないかと云う
思い付きのもとに木造モルタル壁に使用してしまっている事が多い。(仕上がりの醜悪さや、のちの漏水事故を起こして間違いに気がつく)
それと、「あっ、そんな工法もあるんだ~」と、素人だましで流行している感も拭えません。
気に障ったらごめんね~。^^(笑)
木造住宅でおすすめしない理由は4つ
1) 木造は、鉄骨やRC(コンクリート)構造物に比べ動きが大きいので剥離しやすい。
横にカット入れて上部の剥離なんて最悪。でも、何十年かすると躯対の体の動きの大きい木造軸組では発生しやすい。
2) Ⅴカット工法は、道理上、どんなに上手くやっても必ず下の写真のような補修跡が出てしまう。
仕上がりがこれではガッカリ。
3) 職人がしっかりした知識教育と実地講習を受けないで表層だけ
まねてⅤカット工事をすると縁切れを起こしてしまう可能性が高い。
(既存の条件に応じ材料・工程が何種類もありワンパターンではない・・・)
4) Ⅴカット処理をしたところの延長線に新しく発生するクラックや、後年他所に発生するクラックに
まったくは対処ができない。
上の写真、向かって左手の延長線に新しいクラックが発生しています。
これらのリスクが拭えない問題がある。(後々の事を考えて施工しないのは技術者としてはいかがなものかと思われます。それとお金の無駄使い)
では、木造モルタル住宅のクラックの発生からいかに建物を長期に亘り守るのか?
以下の工法は、
叔父に教えてもらった木造構造物モルタル改修工法で、独自のものですが、
いまだに、つくずく素晴らしいと思う工法。
特出する点は、
1) 上の写真の様な補修跡は一切出ない。
2) Ⅴカット工事した延長線上に新しく発生するクラックや後年他所に発生する
クラックにも対応しているので手放しで安心。
3) 実際に東日本震災の地震後、全ての施工した家に見に行ってヒビ1つ入っていない。
4) 仕上がりがきれい。
ただし、欠点として
高い技術を要求されるので一部の職人にしか、仕上がらないという問題があります。
それでも・・・
20年近くこの工法を実際使った家の経過を見てきてヒビ一つ入って無く(東日本震災直後も確認済み問題無し)
何一つ問題点が出てないので、いまのところ木造モルタル壁にはこの工法が
最善であるとわたしは考えています。
詳細資料は会ったときみせます。
中々時間がとてなくて取り急ぎ。